私んちの婚約者
*
「……」
「ごめん」
「……」
「悪かった」
「……」
「すみません、申し訳ありません、どうぞお許し下さい、梓様!」
とうとう私に向かって頭を下げた愁也。
私は仁王立ちして膨れっつらで彼を見下ろした。
「もうしません、は?」
「え、結構好きじゃないの?拘束プレイ」
「ひとの話を聞こうよ、ね、愁也さん」
冷たい目で見てやれば、愁也は気まずそうに咳払いした。
「もう少し後先考えようね!」
愁也も私には言われたくなかっただろう。いやに衝撃を受けた顔をした。失礼な。
彼は天井を仰いでふぅ、と息を吐いた。
「我を忘れて梓にあんなことしたのは悪かったよ。だけど透也には謝らないからな」
う。
「それならさ~私も結構キッツいこと言っちゃったの。多分かなり落ち込んでるよ」
大丈夫かな。
今頃どっかのビルから飛び降りたりしてないでしょうね。
「そんな度胸もねぇよ」
愁也さん、ブラックモードが抜けてませんよ。
「でも、本当に気をつけろよ、梓。アンタは俺だけのモノでしょ?」
ソファに座った愁也が、立ったままの私を抱き寄せて、腰を抱いた。
「他の男に触らせるなよ」
呟いた彼の声が、辛そうに響いて。
私は思わず愁也の頭を抱き締めた。
「ごめん、ね?」
透也のせいだけじゃない。
避けられた筈なのに、愁也と錯覚して、みすみすキスをさせたのは確かに私が悪いんだ。
だから、私は透也を見捨てられない。
「……」
「ごめん」
「……」
「悪かった」
「……」
「すみません、申し訳ありません、どうぞお許し下さい、梓様!」
とうとう私に向かって頭を下げた愁也。
私は仁王立ちして膨れっつらで彼を見下ろした。
「もうしません、は?」
「え、結構好きじゃないの?拘束プレイ」
「ひとの話を聞こうよ、ね、愁也さん」
冷たい目で見てやれば、愁也は気まずそうに咳払いした。
「もう少し後先考えようね!」
愁也も私には言われたくなかっただろう。いやに衝撃を受けた顔をした。失礼な。
彼は天井を仰いでふぅ、と息を吐いた。
「我を忘れて梓にあんなことしたのは悪かったよ。だけど透也には謝らないからな」
う。
「それならさ~私も結構キッツいこと言っちゃったの。多分かなり落ち込んでるよ」
大丈夫かな。
今頃どっかのビルから飛び降りたりしてないでしょうね。
「そんな度胸もねぇよ」
愁也さん、ブラックモードが抜けてませんよ。
「でも、本当に気をつけろよ、梓。アンタは俺だけのモノでしょ?」
ソファに座った愁也が、立ったままの私を抱き寄せて、腰を抱いた。
「他の男に触らせるなよ」
呟いた彼の声が、辛そうに響いて。
私は思わず愁也の頭を抱き締めた。
「ごめん、ね?」
透也のせいだけじゃない。
避けられた筈なのに、愁也と錯覚して、みすみすキスをさせたのは確かに私が悪いんだ。
だから、私は透也を見捨てられない。