私んちの婚約者
「もう二度とお酒は飲みません~」


涙ながらにマキに誓えば、彼女はふふ、と笑う。


「あんたは酔ってたから流されちゃったの?
それとも相手が彼だから?」


……。


「ど、どうだろう」

誰彼構わず、なんて思いたくない。

だけど自分でも、その時の気持ちを覚えてないから。


よって、“さっぱりわからない”んだけど。


「私って、愁也さんのことどう思ってるんだろう」

「いや、あたしに聞かれても」


マキは大爆笑寸前。


助けてよ、合コンクイーン~!!


「梓はもうちょっと、自分の気持ちを冷静に考えた方が良いわよ。この鈍感」


彼女は大人びた微笑みで、私の背中をポン、と叩いた。


……愁也のことは、嫌いじゃない。
嫌いじゃないけど、

けど、のその先が、私にはまだ見えないんだよ。


でも。


愁也が私をどう思っているのか。

それを考えると、ちょっとざわざわする。
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