私んちの婚約者
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「まだ……食べるぅ」
自分の呟きで、目が覚めた。
白い天井が目に入る。
ーー私達が宿泊してるホテル。
窓から外の灯りがかすかに差し込むだけの、暗い部屋。
……。
……。
また、やっちまいましたか。
恥ずかしさと、情けなさで私はジタバタ暴れてみた。
ベッドの周りには私の服が散らばってるし、眠る前に感じていた、愁也の体温を覚えてる。
肌に残る痕も。
優しいキスも。
「わ、私ってば、……はしたない」
マキに大和撫子を説けないじゃん。
しかし、愁也はドコ?
いつもなら隣で眠る彼が居ない。
身体にシーツを巻きつけて、ベッドを降りて。ふと隣の部屋から灯りが漏れていることに気付く。
寝室から続く部屋の扉を開けようとしたなら、愁也の声がした。
「……エリカ……」
ーーまた、あの名前。
そっと扉を開ければ、携帯で電話をしている愁也。
時計を見れば、パーティーから数時間、今は夜中だ。
「どう、して」
1日に何度も、しかもこんな時間に電話する相手。
知らない女性の名前。
嬉しそうに、楽しそうに話す、愁也。
……知らない。
こんな、彼は知らない。
「まだ……食べるぅ」
自分の呟きで、目が覚めた。
白い天井が目に入る。
ーー私達が宿泊してるホテル。
窓から外の灯りがかすかに差し込むだけの、暗い部屋。
……。
……。
また、やっちまいましたか。
恥ずかしさと、情けなさで私はジタバタ暴れてみた。
ベッドの周りには私の服が散らばってるし、眠る前に感じていた、愁也の体温を覚えてる。
肌に残る痕も。
優しいキスも。
「わ、私ってば、……はしたない」
マキに大和撫子を説けないじゃん。
しかし、愁也はドコ?
いつもなら隣で眠る彼が居ない。
身体にシーツを巻きつけて、ベッドを降りて。ふと隣の部屋から灯りが漏れていることに気付く。
寝室から続く部屋の扉を開けようとしたなら、愁也の声がした。
「……エリカ……」
ーーまた、あの名前。
そっと扉を開ければ、携帯で電話をしている愁也。
時計を見れば、パーティーから数時間、今は夜中だ。
「どう、して」
1日に何度も、しかもこんな時間に電話する相手。
知らない女性の名前。
嬉しそうに、楽しそうに話す、愁也。
……知らない。
こんな、彼は知らない。