私んちの婚約者
そこに掛かっていたのは
夢のように綺麗な、ドレスだった。
肩のないベアトップ型の胸元に、花模様の繊細なレース。
Aラインのスカートはふわりと床に流れ、サテン地の上にオーガンジーが重ねられて、柔らかな光沢を放っている。
その裾をぐるりと囲むように幅広のレースが付いていて、後ろでセパレートし、腰まで続いていて。
背中はリボンで編み上げられ、腰に白と淡いミルクティー色の薔薇のバックコサージュ。
――純白の、ドレス。
「これって……
ウェディングドレス?」
「この店はジュエリーデザイナーの夫、ジェロニモと、ドレスデザイナーの私、エリカの店なの」
茫然としている私に向かって、エリカが微笑んだ。
ああ、だから“G・E”、“ジェロニモとエリカ”ってことか。
……ん?
「夫って、言った?」
「私は既婚者です」
ニコニコ、エリカが言った。
「ふ、不倫?」
「違う!」
ごちんと頭に軽く拳骨が落ちてきて、思わず愁也を見上げれば、彼はニヤリと笑う。
「ほら、誰が浮気男だって?」
う。
夢のように綺麗な、ドレスだった。
肩のないベアトップ型の胸元に、花模様の繊細なレース。
Aラインのスカートはふわりと床に流れ、サテン地の上にオーガンジーが重ねられて、柔らかな光沢を放っている。
その裾をぐるりと囲むように幅広のレースが付いていて、後ろでセパレートし、腰まで続いていて。
背中はリボンで編み上げられ、腰に白と淡いミルクティー色の薔薇のバックコサージュ。
――純白の、ドレス。
「これって……
ウェディングドレス?」
「この店はジュエリーデザイナーの夫、ジェロニモと、ドレスデザイナーの私、エリカの店なの」
茫然としている私に向かって、エリカが微笑んだ。
ああ、だから“G・E”、“ジェロニモとエリカ”ってことか。
……ん?
「夫って、言った?」
「私は既婚者です」
ニコニコ、エリカが言った。
「ふ、不倫?」
「違う!」
ごちんと頭に軽く拳骨が落ちてきて、思わず愁也を見上げれば、彼はニヤリと笑う。
「ほら、誰が浮気男だって?」
う。