私んちの婚約者
「梓、あずさ」
う~ん……。
低い甘い声が私を呼んで、大きな手が私を揺さぶった。
「特大ケーキ、あと少しで食べられるとこなの~……」
だから邪魔しないで……。
「ちょうど良いな。その夢なら今すぐ叶うよ」
は?
愁也のご機嫌な声とその言葉に、私の目がぱっちり開いた。
どーゆーこと?
ウィンドウの外に見えるのは、懐かしい我が家じゃなくて……ここどこ?
思わず車のドアを開けた瞬間に、海の香りがした。
車から降りれば、目の前にそびえ立つ、真っ白な壁と真っ白な屋根。
金色に光る十字架に同じ色の鐘。
まわりに咲き乱れる、色とりどりの花。
なんだかお約束の様に、背景に真っ白な鳩まで飛んじゃって。
「こ、ここって……まさか」
愁也が私のこめかみにキスして囁く。
「そのまさかだったりして」
ーー教会。
それ以外の何物でもない。
「な、なんでこんなとこに?おうちに帰るんじゃなかったっけ?」
思わぬロケーションにビックリしたまま、愁也に問えば、彼がクスリと笑った。
「ここが目的地」
「え?そんなの一言も……。てかこんなとこに何の用事があるの?」
なんか嫌な予感がひしひしとするのは何故!?
愁也の笑顔が、うっかりときめいちゃうほど、今世紀最上級なのは何故!?
「だって今からするから。
結婚式」
「……誰の?」
私は間抜けにも聞いてしまい、
「誰って。
アンタと、俺の」
愁也がクリティカルヒットをぶちかました。
……。
……。
「けっ……結婚式ぃ!?」
う~ん……。
低い甘い声が私を呼んで、大きな手が私を揺さぶった。
「特大ケーキ、あと少しで食べられるとこなの~……」
だから邪魔しないで……。
「ちょうど良いな。その夢なら今すぐ叶うよ」
は?
愁也のご機嫌な声とその言葉に、私の目がぱっちり開いた。
どーゆーこと?
ウィンドウの外に見えるのは、懐かしい我が家じゃなくて……ここどこ?
思わず車のドアを開けた瞬間に、海の香りがした。
車から降りれば、目の前にそびえ立つ、真っ白な壁と真っ白な屋根。
金色に光る十字架に同じ色の鐘。
まわりに咲き乱れる、色とりどりの花。
なんだかお約束の様に、背景に真っ白な鳩まで飛んじゃって。
「こ、ここって……まさか」
愁也が私のこめかみにキスして囁く。
「そのまさかだったりして」
ーー教会。
それ以外の何物でもない。
「な、なんでこんなとこに?おうちに帰るんじゃなかったっけ?」
思わぬロケーションにビックリしたまま、愁也に問えば、彼がクスリと笑った。
「ここが目的地」
「え?そんなの一言も……。てかこんなとこに何の用事があるの?」
なんか嫌な予感がひしひしとするのは何故!?
愁也の笑顔が、うっかりときめいちゃうほど、今世紀最上級なのは何故!?
「だって今からするから。
結婚式」
「……誰の?」
私は間抜けにも聞いてしまい、
「誰って。
アンタと、俺の」
愁也がクリティカルヒットをぶちかました。
……。
……。
「けっ……結婚式ぃ!?」