私んちの婚約者
こんな日が来るなんて。
妄想、いや想像、しなかったわけじゃないけど。

でもあまりにも早くやってきた未来。


「汝は高宮梓を妻とし、

病めるときも
健やかなるときも
これを愛し、慈しみ、
共に生きることを誓いますか?」


「誓います」


真っ直ぐに向けられた言葉。
優しい瞳。

何度も揺らいだりしたけど。

多分これからも、たくさんの困難が起こるだろうけど。


「汝は天野愁也を夫とし、

病めるときも
健やかなるときも
これを愛し、慈しみ、
共に生きることを
誓いますか?」



それでも不安じゃないよ。



「誓います」



たった一言で。


あなたが嬉しそうに笑うから。
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