私んちの婚約者
「あたしは、梓みたいにまっすぐになれないから。
色々計算しちゃったり、駆け引きしちゃったりして……結局怖くなっちゃうのかも」
肩をすくめて言えば、透也はおかしそうに笑った。
「簡単に踏み込まないってのは相手との距離を大事にしてるんだろ。だから受け入れた相手にはとことん親身になるよな、お前は」
「……随分あたしのことを知ってるのね」
……イヤミ半分、照れ隠し、半分。
「わかるよ、見てれば」
でもピュア男にイヤミは通じない。
さらりと返された言葉に、またあたしの胸が大きな音を立てた。
「そういうの、俺は嫌いじゃないけどな。梓のことで怒ったお前は格好良かったしさ。
マキはイイ女だよ」
……っ。
「あんた心臓に悪い!さすがあの女たらし一族ね!!」
「えぇえ!?」
ちくしょう、やっぱり気の迷いだわ!
この天然タラシ!
絶対、絶対、こんなやつにときめくもんか!!
ふん、と鼻息荒く彼を置いて歩き出したあたし。
真っ赤になった顔を見られたくなくて。
背後で透也が呟いた言葉は聞こえなかった。
「……可愛いじゃん」
ときめきが、生まれるかは……不明。
「私んちの親友」fin
色々計算しちゃったり、駆け引きしちゃったりして……結局怖くなっちゃうのかも」
肩をすくめて言えば、透也はおかしそうに笑った。
「簡単に踏み込まないってのは相手との距離を大事にしてるんだろ。だから受け入れた相手にはとことん親身になるよな、お前は」
「……随分あたしのことを知ってるのね」
……イヤミ半分、照れ隠し、半分。
「わかるよ、見てれば」
でもピュア男にイヤミは通じない。
さらりと返された言葉に、またあたしの胸が大きな音を立てた。
「そういうの、俺は嫌いじゃないけどな。梓のことで怒ったお前は格好良かったしさ。
マキはイイ女だよ」
……っ。
「あんた心臓に悪い!さすがあの女たらし一族ね!!」
「えぇえ!?」
ちくしょう、やっぱり気の迷いだわ!
この天然タラシ!
絶対、絶対、こんなやつにときめくもんか!!
ふん、と鼻息荒く彼を置いて歩き出したあたし。
真っ赤になった顔を見られたくなくて。
背後で透也が呟いた言葉は聞こえなかった。
「……可愛いじゃん」
ときめきが、生まれるかは……不明。
「私んちの親友」fin