私んちの婚約者
はっきりくっきりわざわざフロア入り口、皆の前で婚約宣言したのは、女性社員への牽制か!
拳を握りしめる私に、何かを察したのか一歩離れて愁也が口を開く。
「梓、邪魔だから帰っていい……」
「トイレ!」
尚も失礼な事を言う愁也にムカつきながら、オフィスを後にした。
愁也にとっては婚約発表なんて、明日の天気予報以上にどうでも良さそうだわ。
雨が降ろうが、槍が降ろうが、興味ない女と婚約しようが、きっと構わないんだろう。
くぅぅ、ムカつく!
しかし父の会社でもあるし、社長令嬢という身分を明かしてしまった以上、ここで暴れるわけにもいかない。ついでに経費で購入しているものを壊すわけにもいかない。
仕方ないからちょっと頭を冷やそうと、トイレへ向かった。
申し訳程度にメイクを直して、私は元の場所に戻ろうとして。
給湯室の側まで来ると、中から女性社員の話し声が聞こえる。
おぉ、噂のOLの作戦会議室ね。
トイレに次ぐ、女の情報収集の場だ。これはチェックチェック。
なんて軽い気持ちで聞き耳を立てた事を、私は酷く後悔した。
「本当に何なのよ~!何であんな横から出てきた小娘に奪られなきゃならないわけ!?」
「社長令嬢だか何だか知らないけど、なんの取り柄も無さそうだし!逆玉ってだけじゃん」
「あたしらの仕事なんてわかりませんて顔してたわよ。三崎さんならともかく、なんであんな子」
……わ、私の話ですね。
OL怖ぇーー!!
拳を握りしめる私に、何かを察したのか一歩離れて愁也が口を開く。
「梓、邪魔だから帰っていい……」
「トイレ!」
尚も失礼な事を言う愁也にムカつきながら、オフィスを後にした。
愁也にとっては婚約発表なんて、明日の天気予報以上にどうでも良さそうだわ。
雨が降ろうが、槍が降ろうが、興味ない女と婚約しようが、きっと構わないんだろう。
くぅぅ、ムカつく!
しかし父の会社でもあるし、社長令嬢という身分を明かしてしまった以上、ここで暴れるわけにもいかない。ついでに経費で購入しているものを壊すわけにもいかない。
仕方ないからちょっと頭を冷やそうと、トイレへ向かった。
申し訳程度にメイクを直して、私は元の場所に戻ろうとして。
給湯室の側まで来ると、中から女性社員の話し声が聞こえる。
おぉ、噂のOLの作戦会議室ね。
トイレに次ぐ、女の情報収集の場だ。これはチェックチェック。
なんて軽い気持ちで聞き耳を立てた事を、私は酷く後悔した。
「本当に何なのよ~!何であんな横から出てきた小娘に奪られなきゃならないわけ!?」
「社長令嬢だか何だか知らないけど、なんの取り柄も無さそうだし!逆玉ってだけじゃん」
「あたしらの仕事なんてわかりませんて顔してたわよ。三崎さんならともかく、なんであんな子」
……わ、私の話ですね。
OL怖ぇーー!!