私んちの婚約者
私達のやり取りにあっけにとられていた隼人だったけど、再び向けられた愁也の視線にビクッとして口を開く。
「違う!オレにもいるんだよ、婚約者!」
衝撃の事実に、私はびっくりして聞き返した。
「婚約者!?その歳で?」
そういや気にしてなかったけど、隼人のうちは結構な豪邸だ。
おまけに父の知り合いなら、どこかの社長さんって可能性もある。
「あんたおぼっちゃんだったのね」
私の言葉に、隼人は苦々しく続ける。
「うちも親が勝手に決めたんだよ。で、ホントにそんなんで好きになれるかってさあ」
俯く彼に、愁也は首を傾げる。
「出会い方は何だっていいだろ。お前はその子のことどう思ってるんだよ。嫌いなのか?」
「嫌いじゃない!ーーけど」
思わずといったように反論して、けれどそんな自分が恥ずかしくなったのか、隼人は目を逸らす。
愁也は彼に静かに問いかけた。
「親の決めた婚約者と結婚するのは、大人の思惑に乗るようで、抵抗ある?」
言われた言葉は図星だったのか。隼人は愁也を見つめた。
愁也はふと笑って、私を引き寄せる。
「そんなの気にしてたら、人生損するよ。自分がその子を欲しいか欲しくないか、だろ。
つまらないプライドに縛られて、本当に欲しいものを逃すのは馬鹿だ。
俺は梓に出会って良かったし、誰にも渡したくない」
「愁也……」
優しく見つめられて、私はじーんと熱くなる胸を押さえた。
彼はちらりと私を見下ろす。
「まあたまに暴走するし、モノは投げるけど、それも可愛いよ」
「一言余計だ」
せっかくいい気分だったのに!
隼人はなんだか『すっげえ!』みたいな顔で愁也を見て。
「あれを可愛いって言えるなんて。梓、お前すっげえイイ男捕まえてんだな。初めてお前の凄さがわかったよ」
「ちょっとそれどういう意味よ」
ほめられた気がしないわ!!
「違う!オレにもいるんだよ、婚約者!」
衝撃の事実に、私はびっくりして聞き返した。
「婚約者!?その歳で?」
そういや気にしてなかったけど、隼人のうちは結構な豪邸だ。
おまけに父の知り合いなら、どこかの社長さんって可能性もある。
「あんたおぼっちゃんだったのね」
私の言葉に、隼人は苦々しく続ける。
「うちも親が勝手に決めたんだよ。で、ホントにそんなんで好きになれるかってさあ」
俯く彼に、愁也は首を傾げる。
「出会い方は何だっていいだろ。お前はその子のことどう思ってるんだよ。嫌いなのか?」
「嫌いじゃない!ーーけど」
思わずといったように反論して、けれどそんな自分が恥ずかしくなったのか、隼人は目を逸らす。
愁也は彼に静かに問いかけた。
「親の決めた婚約者と結婚するのは、大人の思惑に乗るようで、抵抗ある?」
言われた言葉は図星だったのか。隼人は愁也を見つめた。
愁也はふと笑って、私を引き寄せる。
「そんなの気にしてたら、人生損するよ。自分がその子を欲しいか欲しくないか、だろ。
つまらないプライドに縛られて、本当に欲しいものを逃すのは馬鹿だ。
俺は梓に出会って良かったし、誰にも渡したくない」
「愁也……」
優しく見つめられて、私はじーんと熱くなる胸を押さえた。
彼はちらりと私を見下ろす。
「まあたまに暴走するし、モノは投げるけど、それも可愛いよ」
「一言余計だ」
せっかくいい気分だったのに!
隼人はなんだか『すっげえ!』みたいな顔で愁也を見て。
「あれを可愛いって言えるなんて。梓、お前すっげえイイ男捕まえてんだな。初めてお前の凄さがわかったよ」
「ちょっとそれどういう意味よ」
ほめられた気がしないわ!!