私んちの婚約者
メイクを直して行くというマキから一足先にトイレを出れば、愁也が腕組みをして透也に冷たい目を向けていた。
「なにその曖昧さ。そんなとこは未だにヘタレなわけ?お前がさっさと告ればいい話だろう」
「だってなんかあいつと居るのが居心地良すぎてさ~。イマサラ友達枠から外れるのが怖いっつーか」
「ヘタレ。どうしようもないヘタレ」
「っ、わかってるっての!」
なんだ、こっちも恋愛相談か。
他でもない愁也に相談ってのが、なんか信じられない光景だけど。
……ん?
じゃあ二人ってやっぱり両想いなの?
……な、なんてこと。
私は彼らの前に行って透也を睨みつける。
「簡単にマキは渡さないんだから!私を倒してから行きなさい!」
ビシッと指を指して、透也に宣戦布告した。
ようし、こうなったら小姑梓ちゃんの出番だもんね!!
てなわけで。
『べぇえぇったり』
そんな表現が適切なくらい、私はマキにへばりついて離れない。
「はい、マキちゃん、あ~ん」
今は四人で食事中。
マキは苦笑しながらも私に付き合ってくれる。
「なんでだろう。妙に面白くないんだが」
顔をひきつらせた透也が呟くと、愁也が彼を横目で睨みつけた。
「安心しろ。お前だけじゃない」
その目は、お前のせいだと言わんばかり。
「ねぇマキ~、今日泊まってって?」
「こら。愁也さんとの時間でしょ」
「やあだあ、マキちゃんと一緒がいいよぅ」
私達の会話に反応したのは、愁也。
「……何、その可愛らしいおねだり。俺されたことない」
彼は冷や汗を浮かべながら私を見た。
マキは勝ち誇ったように愁也へ笑いかける。
「あら、あたしは結構されてますよ?」
「負けた……」
とガックリする自分の旦那を放っておいて、私はひたすらマキを構い続けた。
食事を終えて、携帯を片手に電話をしに行ったマキを見送って、私は透也に言う。
「ちゃんとしなさいよ。私の大事な親友なんだから」
透也はぐ、と言葉に詰まって。
――頷いた。
「なにその曖昧さ。そんなとこは未だにヘタレなわけ?お前がさっさと告ればいい話だろう」
「だってなんかあいつと居るのが居心地良すぎてさ~。イマサラ友達枠から外れるのが怖いっつーか」
「ヘタレ。どうしようもないヘタレ」
「っ、わかってるっての!」
なんだ、こっちも恋愛相談か。
他でもない愁也に相談ってのが、なんか信じられない光景だけど。
……ん?
じゃあ二人ってやっぱり両想いなの?
……な、なんてこと。
私は彼らの前に行って透也を睨みつける。
「簡単にマキは渡さないんだから!私を倒してから行きなさい!」
ビシッと指を指して、透也に宣戦布告した。
ようし、こうなったら小姑梓ちゃんの出番だもんね!!
てなわけで。
『べぇえぇったり』
そんな表現が適切なくらい、私はマキにへばりついて離れない。
「はい、マキちゃん、あ~ん」
今は四人で食事中。
マキは苦笑しながらも私に付き合ってくれる。
「なんでだろう。妙に面白くないんだが」
顔をひきつらせた透也が呟くと、愁也が彼を横目で睨みつけた。
「安心しろ。お前だけじゃない」
その目は、お前のせいだと言わんばかり。
「ねぇマキ~、今日泊まってって?」
「こら。愁也さんとの時間でしょ」
「やあだあ、マキちゃんと一緒がいいよぅ」
私達の会話に反応したのは、愁也。
「……何、その可愛らしいおねだり。俺されたことない」
彼は冷や汗を浮かべながら私を見た。
マキは勝ち誇ったように愁也へ笑いかける。
「あら、あたしは結構されてますよ?」
「負けた……」
とガックリする自分の旦那を放っておいて、私はひたすらマキを構い続けた。
食事を終えて、携帯を片手に電話をしに行ったマキを見送って、私は透也に言う。
「ちゃんとしなさいよ。私の大事な親友なんだから」
透也はぐ、と言葉に詰まって。
――頷いた。