私んちの婚約者
*
梓、はいぱーピンチです。
後ろで縛られた手と。
同じくガッチリ縛られた足。
よく見ればおそらく大学構内の、使ったことのないナントカ準備室の端っこ。
車とかで遠方に拉致されたんじゃないことには安心しつつも、さて、この状況。
「これって監禁ですかー!」
「た、高宮さん、落ち着いて」
男子学生がオロオロと言う。
やべ。負ける気がしねー。
「梓ちゃん、騒いでもどこにも届かないよ。ここ、特別棟だから」
私を殴ったあの男がニヤニヤ笑いながら言った。
「それよりお菓子でも食べない?」
う。私の好きなサワークリームオニオンのポテトチップだとぉ!?
やべ、勝てる気がしねー。
「……食べるから縄ほどいてよ」
「それはダメ」
ちっ、引っかからないか。
私は諦めて息を吐く。
「目的は、何なわけ?」
視線を向けたらば、気弱そうな男子が顔を背ける。
「や、俺達は、あいつの言うこと聞けば高宮さんと付き合えるって」
……は?
ちょっと待て。
「よぉく考えましょ~ね?
私は1人。あんたら7人。どーやって付き合うの?そもそも私は結婚してんだぞ、この馬鹿ども」
あ、後半本音出ちゃった。
気弱男子はえ?てな顔で私を見る。ダメだこりゃ。
多分、リーダーはアイツ。
私を殴った男。
猿山のサルはボスがいなきゃ何もできない。
つまりアイツをぶっ倒せば、後はなんとかなりそうだ。
私は周りを見回す。
武器……はもちろん無いし、私の“御守り”達も無い。
バッグは中身が出されて無造作に放ってあった。
梓、はいぱーピンチです。
後ろで縛られた手と。
同じくガッチリ縛られた足。
よく見ればおそらく大学構内の、使ったことのないナントカ準備室の端っこ。
車とかで遠方に拉致されたんじゃないことには安心しつつも、さて、この状況。
「これって監禁ですかー!」
「た、高宮さん、落ち着いて」
男子学生がオロオロと言う。
やべ。負ける気がしねー。
「梓ちゃん、騒いでもどこにも届かないよ。ここ、特別棟だから」
私を殴ったあの男がニヤニヤ笑いながら言った。
「それよりお菓子でも食べない?」
う。私の好きなサワークリームオニオンのポテトチップだとぉ!?
やべ、勝てる気がしねー。
「……食べるから縄ほどいてよ」
「それはダメ」
ちっ、引っかからないか。
私は諦めて息を吐く。
「目的は、何なわけ?」
視線を向けたらば、気弱そうな男子が顔を背ける。
「や、俺達は、あいつの言うこと聞けば高宮さんと付き合えるって」
……は?
ちょっと待て。
「よぉく考えましょ~ね?
私は1人。あんたら7人。どーやって付き合うの?そもそも私は結婚してんだぞ、この馬鹿ども」
あ、後半本音出ちゃった。
気弱男子はえ?てな顔で私を見る。ダメだこりゃ。
多分、リーダーはアイツ。
私を殴った男。
猿山のサルはボスがいなきゃ何もできない。
つまりアイツをぶっ倒せば、後はなんとかなりそうだ。
私は周りを見回す。
武器……はもちろん無いし、私の“御守り”達も無い。
バッグは中身が出されて無造作に放ってあった。