私んちの婚約者
もう、我慢も限界突破ですよ。
リミットがブレイクですよ!


「いい加減にせんかあぁっ!!」


私は地団駄踏んで叫ぶ。
ムカつく!もう心底イラつく!

近づくボス猿の顔を避けるように、首を振って。
怒りで目がくらんだ私は、そいつらに向かって叫ぶ。


「あいつだの、あんな奴だの言われたくない!!
愁也は私の夫なの!旦那様なの!

世界一格好いい、宇宙一私が愛してる、最高の男なんだからっ!!」



「ふぅん……嬉しいこと言ってくれるね」


艶めいた、声。
その声だけで、私の心臓が跳ねる。

ああ、ほらね。
やっぱり来てくれた。

ヒーロー見参、もしくは王子様、登場。


「愁也ぁっ」


いつの間にか開け放たれていたドアに寄りかかるようにして、腕組み姿勢で立つ、愁也。

「わあっ!」

焦りまくる男子学生共。

……なんだろう。
7対1でも愁也が完全優位に見えるんですが。

「梓、怪我ない?」

愁也が男子共の肩越しに私に問う。

「お腹空いた!」

「ふ、大丈夫そうだな」

私の答えに彼が笑って、男子共を見渡した。

「ねぇ、俺の可愛い奥さんを寝取ろうなんて100億年早いよ?それとも自殺志願者かな?」

通訳:『死にたいのかお前ら』

うーわ~ブラック愁也様だあ。

「梓?大丈夫か」

愁也の後ろから透也が顔を覗かせる。
一緒に来てくれたんだ。
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