私んちの婚約者
***
あの場を透也と、駆けつけた警備員に任せて。
私は愁也と家に戻ってきていた。
「何であそこに来られたの?」
いくら愁也が無敵のヒーローでも、よくあんなとこがわかったもんだ。
「透也から梓が危ないかもって連絡をもらって、大学に来てたんだ。そしたら、これが鳴ったから」
愁也が示したのは携帯サイズの機械。
画面に点滅するライトと、大学の見取り図?
スパイ映画みたいだ、カッコイイ。
「梓に渡したブローチ、うちの会社と神前の関連会社が共同開発した、超高性能発信機なわけ。
ボタンを押せば、これに緊急信号が発信される」
……うちの会社は一体、なにをやってる会社なんでしょうか?
『愁也君が副社長に就任してから、異様に業務内容がグローバルになったんだよね~』
とか言ってた父を思い出す。
グローバルって域ではないよ~な。
秘密兵器とか作ってないでしょうね。
しかも大学の見取り図って。どこで手に入れたんだ。
……我が旦那様ながら、あらゆる意味で有能なこの人がコワイ。
「そんなことより、梓があんなふうに思っててくれたなんてね」
愁也がニコニコと私を見た。
「は?」
「熱烈な告白をしてくれたじゃないか。スケールでかい宇宙規模の」
ああ……。
世界一とか宇宙一とか言ったな、確かに。
今思えば小学生みたいで恥ずかしい。
「言葉のあやですよぅ!」
顔を背けて言う。
けれど、からかわれるかと思いきや、愁也はニヤニヤ笑いを浮かべることなく、私の体を抱き締めた。
「……ほんっとに、無事で良かった」
囁かれた言葉に、私は戸惑う。
「愁也?」
あの場を透也と、駆けつけた警備員に任せて。
私は愁也と家に戻ってきていた。
「何であそこに来られたの?」
いくら愁也が無敵のヒーローでも、よくあんなとこがわかったもんだ。
「透也から梓が危ないかもって連絡をもらって、大学に来てたんだ。そしたら、これが鳴ったから」
愁也が示したのは携帯サイズの機械。
画面に点滅するライトと、大学の見取り図?
スパイ映画みたいだ、カッコイイ。
「梓に渡したブローチ、うちの会社と神前の関連会社が共同開発した、超高性能発信機なわけ。
ボタンを押せば、これに緊急信号が発信される」
……うちの会社は一体、なにをやってる会社なんでしょうか?
『愁也君が副社長に就任してから、異様に業務内容がグローバルになったんだよね~』
とか言ってた父を思い出す。
グローバルって域ではないよ~な。
秘密兵器とか作ってないでしょうね。
しかも大学の見取り図って。どこで手に入れたんだ。
……我が旦那様ながら、あらゆる意味で有能なこの人がコワイ。
「そんなことより、梓があんなふうに思っててくれたなんてね」
愁也がニコニコと私を見た。
「は?」
「熱烈な告白をしてくれたじゃないか。スケールでかい宇宙規模の」
ああ……。
世界一とか宇宙一とか言ったな、確かに。
今思えば小学生みたいで恥ずかしい。
「言葉のあやですよぅ!」
顔を背けて言う。
けれど、からかわれるかと思いきや、愁也はニヤニヤ笑いを浮かべることなく、私の体を抱き締めた。
「……ほんっとに、無事で良かった」
囁かれた言葉に、私は戸惑う。
「愁也?」