私んちの婚約者
アウトドアスポーツは結構好きだし、昔からこの容姿のおかげで何かと男に絡まれる事もあって、喧嘩も含めて体力には自信がある。
夢中で六階から一階まで駆け降りると、エレベーターの扉が丁度開くところだった。
「私、何の取り柄もないし!!」
梓のうわずった声が聞こえて、神谷に追い詰められるように壁際に身を寄せた彼女が見えた。
馬鹿。
他の男に迫られてんじゃねぇよ。
ゆっくり開く扉をこじ開けるように、手をかけて。
「梓の取り柄は、
料理とキスが上手いこと」
俺限定で。
そんなの実感すんのは、俺だけでいい。
神谷の楽しそうな様子を見れば、挑発されていたのだと解る。
いいよ、乗ってやる。
梓を引きずり、駐車場まで連れて行って車に乗せた。
だけどエンジンをかけるより先に、梓を問い詰めて。
神谷に迫られていたことを確認したら、やっぱりどうしようもなくムカついたことに、やっと自分の気持ちを自覚する。
彼女が三崎に嫉妬していたとわかって、梓がどうしようもなく可愛く見えることにも。
もういい加減、解れ。
お前も、俺も。
俺は、梓のことが、
「ふ、ぎゃあああっ!!!」
夢中で六階から一階まで駆け降りると、エレベーターの扉が丁度開くところだった。
「私、何の取り柄もないし!!」
梓のうわずった声が聞こえて、神谷に追い詰められるように壁際に身を寄せた彼女が見えた。
馬鹿。
他の男に迫られてんじゃねぇよ。
ゆっくり開く扉をこじ開けるように、手をかけて。
「梓の取り柄は、
料理とキスが上手いこと」
俺限定で。
そんなの実感すんのは、俺だけでいい。
神谷の楽しそうな様子を見れば、挑発されていたのだと解る。
いいよ、乗ってやる。
梓を引きずり、駐車場まで連れて行って車に乗せた。
だけどエンジンをかけるより先に、梓を問い詰めて。
神谷に迫られていたことを確認したら、やっぱりどうしようもなくムカついたことに、やっと自分の気持ちを自覚する。
彼女が三崎に嫉妬していたとわかって、梓がどうしようもなく可愛く見えることにも。
もういい加減、解れ。
お前も、俺も。
俺は、梓のことが、
「ふ、ぎゃあああっ!!!」