私んちの婚約者
「何って……イタリア行くんでしょ?」
「行くけど。
……梓もだろ?
俺ら結婚するんだから」
は?
……。
「あぁあ――!!?」
そうか。
愁也は私の婚約者だった。
わ、忘れてたよ……!!
愁也は嬉しそうな、困ったような複雑な顔をする。
私の顔を覗き込んだ。
「もしかして、俺と離れると思って、泣いた?俺は最初から梓と一緒に行くつもりだったけど」
「ーーっ!」
は、恥ずかしい!
心底、恥ずかしい!!
マキのにへら笑いを思い出す。
マキめ、気付いてたな!!
気付いてたのに、きっと私をけしかけようとしたんだ。
……友情に感謝するべきか、騙されたと怒るべきか……!
私は恥ずかしさと安堵がごちゃまぜになった大混乱な頭で、拳を握りしめる。
「そんなら最初っから言え、馬鹿愁也!!」
ええ、八つ当たりですとも!!
だけど愁也はふ、と苦笑して、
「だよなあ。最初っからちゃんと言うべきだった」
そう言って、私の前にひざまずいた。
私の手を取って、見上げてくる。
「……好きです、高宮梓さん。
俺と結婚して下さい」
「行くけど。
……梓もだろ?
俺ら結婚するんだから」
は?
……。
「あぁあ――!!?」
そうか。
愁也は私の婚約者だった。
わ、忘れてたよ……!!
愁也は嬉しそうな、困ったような複雑な顔をする。
私の顔を覗き込んだ。
「もしかして、俺と離れると思って、泣いた?俺は最初から梓と一緒に行くつもりだったけど」
「ーーっ!」
は、恥ずかしい!
心底、恥ずかしい!!
マキのにへら笑いを思い出す。
マキめ、気付いてたな!!
気付いてたのに、きっと私をけしかけようとしたんだ。
……友情に感謝するべきか、騙されたと怒るべきか……!
私は恥ずかしさと安堵がごちゃまぜになった大混乱な頭で、拳を握りしめる。
「そんなら最初っから言え、馬鹿愁也!!」
ええ、八つ当たりですとも!!
だけど愁也はふ、と苦笑して、
「だよなあ。最初っからちゃんと言うべきだった」
そう言って、私の前にひざまずいた。
私の手を取って、見上げてくる。
「……好きです、高宮梓さん。
俺と結婚して下さい」