私んちの婚約者
追撃、婚約者
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お昼休みの大学のカフェで、私はお気に入りのおすすめランチプレートを手に首を傾げる。
「ねぇねぇ、マキそれ何?」
先ほどから一心不乱にノートに向かうマキに、課題でも出てたっけ、と考えた。
どうでもいいけど、片手を空ける為にわざわざサンドイッチセットを選んだのかしら、用意周到なマキさん。
「お土産リストよ。
アンタが私に買ってくるイタリア土産の」
は?
「その分厚いノート全部?」
「あ、大丈夫。都市別にしといたから。ちなみにこれはミラノ編」
大丈夫でも何でもありませんが!?
それ一体、何部作なの!?全米も泣いちゃうよ。
「それくらい当然よねぇ、私のおかげでカップル誕生なんだもんねぇ?」
「えぇ~すっげえ楽しんでたくせにー」
「はあん!?何か言った?」
マキ様、悪どい。顔が悪い顔してるよ?
「感謝してます……」
釈然としないまま、とりあえずお礼を言ってみた。
ああ、また一冊更新されてる……。
進級かかった課題の時でさえ、こんなに熱心なマキは見た事が無かったと記憶してますが。
マキは鷹揚に頷く。
「うむ、苦しゅうない」
お代官様か、アンタは。
「ところでさ、いつ行くの?向こうへは」
「私は一応、来週に一回行って色々下調べしてくるよ。
もう愁也はちょこちょこ行って準備してるけど、本格的に移るのは来年かな」
そう。
まだまだ時間の余裕はあるんだ。
「でも私大学あと二年だし、もしかしたら愁也だけ先に行くことになるかも」
そう考えると、ちょっぴり淋しい。
最初の頃の私は、あんなに愁也との同居を嫌がってたのに、なんだか変なの。
私がそう言うと。
「それが恋でしょーが」
マキが笑いながら返した。
「そ、そうなのかな」
「んな可愛いこと、愁也さんに言ったら、アンタ寝かせて貰えないわよ」
「……」
「もう言っちゃったわけね」
鋭いマキは私の真っ赤な顔を呆れながら見た。
「良かったね、梓。
……せいぜい頑張って繋ぎ留めなさいよ、色仕掛けで」
……それは無茶だー。
お昼休みの大学のカフェで、私はお気に入りのおすすめランチプレートを手に首を傾げる。
「ねぇねぇ、マキそれ何?」
先ほどから一心不乱にノートに向かうマキに、課題でも出てたっけ、と考えた。
どうでもいいけど、片手を空ける為にわざわざサンドイッチセットを選んだのかしら、用意周到なマキさん。
「お土産リストよ。
アンタが私に買ってくるイタリア土産の」
は?
「その分厚いノート全部?」
「あ、大丈夫。都市別にしといたから。ちなみにこれはミラノ編」
大丈夫でも何でもありませんが!?
それ一体、何部作なの!?全米も泣いちゃうよ。
「それくらい当然よねぇ、私のおかげでカップル誕生なんだもんねぇ?」
「えぇ~すっげえ楽しんでたくせにー」
「はあん!?何か言った?」
マキ様、悪どい。顔が悪い顔してるよ?
「感謝してます……」
釈然としないまま、とりあえずお礼を言ってみた。
ああ、また一冊更新されてる……。
進級かかった課題の時でさえ、こんなに熱心なマキは見た事が無かったと記憶してますが。
マキは鷹揚に頷く。
「うむ、苦しゅうない」
お代官様か、アンタは。
「ところでさ、いつ行くの?向こうへは」
「私は一応、来週に一回行って色々下調べしてくるよ。
もう愁也はちょこちょこ行って準備してるけど、本格的に移るのは来年かな」
そう。
まだまだ時間の余裕はあるんだ。
「でも私大学あと二年だし、もしかしたら愁也だけ先に行くことになるかも」
そう考えると、ちょっぴり淋しい。
最初の頃の私は、あんなに愁也との同居を嫌がってたのに、なんだか変なの。
私がそう言うと。
「それが恋でしょーが」
マキが笑いながら返した。
「そ、そうなのかな」
「んな可愛いこと、愁也さんに言ったら、アンタ寝かせて貰えないわよ」
「……」
「もう言っちゃったわけね」
鋭いマキは私の真っ赤な顔を呆れながら見た。
「良かったね、梓。
……せいぜい頑張って繋ぎ留めなさいよ、色仕掛けで」
……それは無茶だー。