私んちの婚約者
そういう愁也の優しさには、覚えがある。


まだ私達が名目上だけの婚約者だった頃から、愁也はできる限り、いつも私と食事をとってくれていた。

それは多分、私が独りきりで食事をしないように。
ひとりぼっちに、ならないように。

忙しい父にもしてもらえなかったのに。
他人の彼がくれた優しさ。

わかりにくいけど、
わかってたよ。


だからマリアが愁也の優しさに惹かれるのは、良く分かる。
けどね?


「でもね~それとこれとは別なのよ、bambina(おじょーちゃん)!」

「フン、梓みたいなお子様に言われたくナイネ」

だから、誰がお子様だと!!

「体型からしてお子様ネ。シューヤが満足するとは思えないネ」

き、気にしてることを!!

「世の中にはいろんな嗜好があるんですぅ!!」

私は堂々と愁也をマニア扱いしてやった。一歩間違えると自爆するような気がしなくもないが、まあ仕方ない。


結局、私とマリアはフン!!と鼻息荒く睨み合ったのだっだ。
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