私んちの婚約者
そのまま部屋に閉じこもって早一時間。
結局携帯はリビングに置いたままだ。それもあるけど、何より痛恨のダメージを喰らった気分でマキにも電話できず、私はぼけ~っとしていた。
仕方ない、のはわかってる。愁也は悪くない。彼の立場なら私を止めなきゃならないのも。
ましてや相手は17歳の女の子だ。ムキになる私が悪い。
「……って悟れたら、そもそも喧嘩なんかしないも~ん……」
マリアの言うとおり、私はお子様だ。
だけど、譲れない。
キスだけは。
「梓、入るよ」
ノックも何も無く、いきなり扉の向こうから掛けられた声に、思わずビクンと背が跳ねた。
私が返事をする前に、ガチャリとドアを開けて愁也が入ってくる。
えぇ~。
「プライバシーの侵害……」
泣きはらした真っ赤な目なんて、見られたくないのに。
「梓にそんなもんはないだろ、アンタは全部俺のものなんだから」
それ怒るとこ?
喜ぶとこ?
「ありますよ!親しき仲にも礼儀ありという言葉がね!」
けれど彼は私の抗議なんて聞いてない。
「俺も全部梓のモノだから、お互い様」
ーーっ、そんな理屈が通用するか!
またしても俺様発言をかます愁也に、
……抱きついてみた。
結局携帯はリビングに置いたままだ。それもあるけど、何より痛恨のダメージを喰らった気分でマキにも電話できず、私はぼけ~っとしていた。
仕方ない、のはわかってる。愁也は悪くない。彼の立場なら私を止めなきゃならないのも。
ましてや相手は17歳の女の子だ。ムキになる私が悪い。
「……って悟れたら、そもそも喧嘩なんかしないも~ん……」
マリアの言うとおり、私はお子様だ。
だけど、譲れない。
キスだけは。
「梓、入るよ」
ノックも何も無く、いきなり扉の向こうから掛けられた声に、思わずビクンと背が跳ねた。
私が返事をする前に、ガチャリとドアを開けて愁也が入ってくる。
えぇ~。
「プライバシーの侵害……」
泣きはらした真っ赤な目なんて、見られたくないのに。
「梓にそんなもんはないだろ、アンタは全部俺のものなんだから」
それ怒るとこ?
喜ぶとこ?
「ありますよ!親しき仲にも礼儀ありという言葉がね!」
けれど彼は私の抗議なんて聞いてない。
「俺も全部梓のモノだから、お互い様」
ーーっ、そんな理屈が通用するか!
またしても俺様発言をかます愁也に、
……抱きついてみた。