私んちの婚約者
過去、婚約者
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愁也がマリアと共にイタリアに発って。
「覇気がない」
マキが私を見て呆れたように言う。
今朝会ったときから、もう何度言われたか分からない台詞を繰り返して、彼女はそのまま指を伸ばして、私のほっぺたを引っ張った。
「いひゃい、マキひゃん」
ぶうぶう言う私を見て、マキが目を剥いた。
「しっかりして!!いつものあんたならここで遠吠えの一つでも出るでしょう!!」
「私は獣か……」
がっくりとチカラ無く呟けば、マキはますます私を揺さぶった。
「あーずーさああっ!?正気にかえんなさい!ほら、吠えてごらん、ワン!」
酷いです、マキちゃん。それ正気と違います。
私はふう、と溜息をついてみせて。
「私だってアンニュイになることがあるのですよ、マキさん」
そう言ったら、マキはまた私の頬を引っ張った。
「100年早い」
え~。
「マキひゃん、今日泊まりに来て?」
首を傾げて聞けば、彼女はふん、と鼻息も荒く腕組みをした。
「何あんた、そうカワイ子ぶってもアタシには通用しないわよ、愁也さんじゃあるまいしっ!」
と、言いつつも、マキはちゃんと私の家方向へ向かってくれる。
マキ大先生っ!
愁也がマリアと共にイタリアに発って。
「覇気がない」
マキが私を見て呆れたように言う。
今朝会ったときから、もう何度言われたか分からない台詞を繰り返して、彼女はそのまま指を伸ばして、私のほっぺたを引っ張った。
「いひゃい、マキひゃん」
ぶうぶう言う私を見て、マキが目を剥いた。
「しっかりして!!いつものあんたならここで遠吠えの一つでも出るでしょう!!」
「私は獣か……」
がっくりとチカラ無く呟けば、マキはますます私を揺さぶった。
「あーずーさああっ!?正気にかえんなさい!ほら、吠えてごらん、ワン!」
酷いです、マキちゃん。それ正気と違います。
私はふう、と溜息をついてみせて。
「私だってアンニュイになることがあるのですよ、マキさん」
そう言ったら、マキはまた私の頬を引っ張った。
「100年早い」
え~。
「マキひゃん、今日泊まりに来て?」
首を傾げて聞けば、彼女はふん、と鼻息も荒く腕組みをした。
「何あんた、そうカワイ子ぶってもアタシには通用しないわよ、愁也さんじゃあるまいしっ!」
と、言いつつも、マキはちゃんと私の家方向へ向かってくれる。
マキ大先生っ!