私んちの婚約者
「……って何。近い」

私が考えている間に、何故かカイ兄が私の傍に来ていた。
私を抱き締める。

「本当に、大きくなったよな……」

しみじみ言われて。なんだかくすぐったい。

……んあ!?

「何してんの、カイ兄」

「成長を確かめてる」

…くすぐったいのは、カイ兄が私のお尻を撫でていたからだった。
なにやっとんじゃ!エロオヤジ!!!

腕を突っ張って離れようとしたけど、彼の体はガッチリしていてビクともしない。
そういえばさっきマキに職業を聞かれて、戦場カメラマンっつってたっけ、海外飛び回ってるし、日頃から鍛えてるのかもしれない。
いや、悠長に考えてる場合じゃないな!えぇい、この細マッチョおおっ!!

「カイ兄!離せ~!」

「お前婚約したんだって?生意気な」

余計なお世話だ!
むしろ巨大なお世話だ!!

カイ兄が私の首に顔をうずめて押し黙る。

あ、あれ?

カイ兄は私のお尻にあった手を、胸に移動させて、そこにある膨らみを強く揉んだ。

「な、な、何してんの」

さ、さすがになんかヤバくない!?なんか触るってレベルじゃねぇ!

「か、か、甲斐さあんっ!?あなた叔父と姪はこんなことしちゃいけませんって学校で教わらなかった!?」

「俺高校中退だもん。在学中にプロカメラマンになったから~」

へぇ~すごい。
――じゃねぇええっ!!
叔父姪でなくとも、非合意なら犯罪だ!!

「ぎゃああっ!はーなーせっ!!」

「はー、あん時は素直で可愛かったのになー」

カイ兄の言葉に、どっと冷や汗が出る。

「あ、あんたまさか、幼少期の可憐な私に、軽犯罪系のイタズラとかしてないでしょうね!!?」

カイ兄はにやりと不敵に笑った。

「性犯罪系のイタズラならしたかもな?お前のハジメテも、俺が欲しかったな~」

「ぎゃああああっっ!!!何てこと言ってるんだ、歩く放送禁止用語め!!!」

はい、梓ブラックリスト、超ド級危険人物に見事ノミネート、最有力賞獲得です!!
お巡りさーん!!いやもう危険生物捕獲団体とか、なんでもいいから誰か私を助けて!!!
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