僕は君に二度恋をする

結局、その日彼女は誰にも話しかけられず。彼女自身も話しかけることをせず。彼女の転校初日は終わった。










帰り道

僕はいつも通り悠太と二人で帰っていた。
悠太も僕のクラスに転校生が入ったことを知っていたようで、悠太は僕にその話を振ってきた。

「なぁ、転校生の名前ってなんて言うの？見た目はどんな感じだった？かわいかった？俺の趣味に合いそうだったか？」
「……名前は確か柊木だったと思う。見た目は―――――。」
「慧、下の名前は？」

いつもの如く、悠太は質問が多い。
僕が下の名前は知らないと言うと、また別の質問を増やし最初の質問に一つしか答えていない。
そして、一通り他の質問を終わらせて悠太は最初の質問に戻った。

「見た目は一言で言えば、僕とは真逆だよ。」
「慧の真逆って、派手ってことか？」
「…うん。間違ってはいないけど少し違う。」
「派手だけど、違うって……。」

僕は前方方向にちょうど彼女と同じような姿の女性を見つけた。