僕は君に二度恋をする
「……はぁ、聞いてたよ。
好きな子の前では生来の性格が出てきて、緊張して話ができないけど、
どうしたらいいだろう。って、ことだろう?」

僕は、彼が言っていたことを掻い摘んで、本をしまいながらそう言った。
いくら読書をしていたって、そのくらいは聞いている。


「そうなんだよ…。
どうしたらいいと思う?こんなこと相談できるの、
慧しかいないんだよ。」

「僕に聞いてもしょうがないと思うんだけど…。」

そう、僕に聞いてもしょうがない。というか、返答に困る。
根暗な僕に恋愛相談されたところで、
何をどうしろと言うんだ。

人とかかわることが嫌いな僕が、恋愛なんてしているわけがない。

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