冬美の初恋
次の日、一睡もできずにフラフラで学校に向かった。

あんまり気が向かなかったけど、家にいたら考えこんじゃう。

少しでも、気をまぎらわせたかった。


昼は、食欲が全然なかったけど、とりあえず購買でおにぎり1個買っておいた。

しかし、半分も口に入らなかった。

マナミと万理に心配されたけど、笑ってごまかした。

昨日の事は、二人に打ち明けられなかった。

まだ、自分の中で認めたくなかったのかも。

だんだん放課後が近づいてく。

雨に会うの……気が重い……。

今までは、どんな時でも雨に会えると思ったらスキップが出そうなくらいだったのに。

今は……………すごく足が重たい。


いつもの古本屋の前。

後ろから、雨に声かけられた。


「……かえるか」

「うん」

私はいつもみたいに笑いかけることもできず、重い足を引きずることしかできなかった。


帰り道、私は全然話せなかった。

気をつかってか、雨は自分なりに話しをふっかけてくれたけた。
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