冬美の初恋
てゆうか、ちゃんと体操服貸してくれる人見つかったのかな?

あ………。


思わず、雨を探そうとしている自分に気がついた。


窓から顔をそらして授業に集中しようとした。


「この時、リンカーンは……」

「………………」


やはり気になってしまい、校庭を見てしまう。

「じゃ、次のとこ…山瀬読んで」

「へ?!」

いきなり名指しされて驚いた。

やばい!

全然聞いてなかった…。

「冬美、35ページの2段目から」

マナミが後ろから小声でサポートしてくれた。

珍しく、ちゃんと聞いていたらしい。

「ありがと」

小さくお礼を言って、教科書を急いでめくった。

「この政策により、人民は……」



そして授業が終わり、起立をしたときに校庭を見た。

体育の授業も終わったようだ。

校庭の隅で、一人でせっせとカラーコーンを運んでいる雨の姿があった。

こうやって見るの、何だかすごく久しぶり………。

正確に測ると、たぶん2週間もたってないのに、なんか1ヶ月ぶりくらいな気がした。
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