冬美の初恋
「あ、うん。大丈夫」
早く立ち上がって平気な所を見せようと思った。
「あ……!」
しかし、足が変な所にハマって、体制を崩してしまいまた尻餅をついてしまった。
「立てない?」
雨は近くに生えてる雑木に手をかけ、反対の手を私に差し出した。
「雨も、巻き込まれちゃうよ」
「いいから」
雨の手をつかんで、何とか立ち上がった。
しかし、また倒れた。
やはり片手だけの力じゃ足りない。
「首捕まって」
雨は上体を私の方に傾けた。
「よ、汚れるよ。制服」
「いいから」
おずおずと雨の首に両手を回した。
私の両腕についた泥が、雨の白いブレザーを汚した。
「んっ……」
雨は私の腰に手を回して引き上げようとした。
なんとか起き上がれた。
「歩ける?」
「右足が抜けない」
雨の首筋からは、汗の匂いがして、思わず目を閉じた。
こんな状況にもかかわらず、雨に触れられたことが嬉しかった。
「……っ、右?」
雨の必死な声を聞いて、喜んでいた自分を反省した。
「あ……ごめん。なんか、引っかかってる感じする」
だいたい、私のドジが発端なのに。
早く立ち上がって平気な所を見せようと思った。
「あ……!」
しかし、足が変な所にハマって、体制を崩してしまいまた尻餅をついてしまった。
「立てない?」
雨は近くに生えてる雑木に手をかけ、反対の手を私に差し出した。
「雨も、巻き込まれちゃうよ」
「いいから」
雨の手をつかんで、何とか立ち上がった。
しかし、また倒れた。
やはり片手だけの力じゃ足りない。
「首捕まって」
雨は上体を私の方に傾けた。
「よ、汚れるよ。制服」
「いいから」
おずおずと雨の首に両手を回した。
私の両腕についた泥が、雨の白いブレザーを汚した。
「んっ……」
雨は私の腰に手を回して引き上げようとした。
なんとか起き上がれた。
「歩ける?」
「右足が抜けない」
雨の首筋からは、汗の匂いがして、思わず目を閉じた。
こんな状況にもかかわらず、雨に触れられたことが嬉しかった。
「……っ、右?」
雨の必死な声を聞いて、喜んでいた自分を反省した。
「あ……ごめん。なんか、引っかかってる感じする」
だいたい、私のドジが発端なのに。