冬美の初恋
「えっ!うん………い、いや、いい、いい」

「遠慮しなくていいよ。番号だけなら今知ってるけど」

お兄ちゃんはポケットのなかからケータイを取り出した。

「いいよ、やっぱ、そうゆうのは本人が聞くのがいいから」

私が知りたいけど………友達が好きって言っちゃったし……。

…こんな嘘、つくんじゃなかった………。


でも。

自分でも、こんな気持ち……よくわからない…………。



昼食の時間。

今日は万理が風邪で休んで、お昼はマナミと二人きりだった。

「マナミさ、今の彼氏と、どうやって知り合ったの?」

「ナンパ」

マナミはあっさり答えた。

「え、彼氏がいきなりナンパしてきたの?」

「てゆうかーナンパされた奴に、今度お互いの連れ呼んで遊ぼうって言われて、そん時マナミ彼氏いたけど、まあいいかな~って思って、マナミも地元の友達よんでー飲み会やって、そこで知り合った」

「彼氏……いるのに?」

「うん。ぶっちゃけ飽きてたし。合コン行く直前に別れてさ~(笑)」

わ………笑えない………。

「じゃあ、ナンパしてきた人じゃなくて、その飲み会で会って知り合ってつきあうことに?」
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