冬美の初恋
「おいしー………?」

「おはよ」

目を開けると、お兄ちゃんのどアップがあった。


ゆ………夢?

「お………おはよう」

「朝ご飯、できたよ」

「あ……ありがと」

私の家は、夕飯は私が作って朝ご飯はお兄ちゃんが用意することになっている。

「なんか、寝言言ってたけど…」

そう言って、お兄ちゃんはニヤッと笑った。

「………なんて、言ってた?」

「なんかニヤニヤ笑いながら、"おいし~"て(笑)」

「……忘れて!!」

私は真っ赤になって、洗面所に逃げた。

私ってば……何て夢……!

夢の内容がバレた訳じゃないけど、恥ずかしい……!!



『好きなんだろ?ホラ』

ふと、夢の中のお兄ちゃんの言葉を思い出した。


何か………夢の中の暗示かな……?


もっと彼のことが知りたいけど…。

お兄ちゃんは勘が鋭いから、あんまり聞いたりすると自分が気になってるってバレそうだし………。

てかもうすでにバレてるかも……。


思い切って、マナミに相談することにした(口軽そうだけど)。
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