冬美の初恋
「仲、はいいけど………お兄ちゃんさ、自分の恋話とか、全然してくれないんだよね。今の彼女のことも、もう3ヶ月くらいつきあってるのに、教えてくれたのはついこの間だし……だから、こっちからも、何か、言いにくくて………」
「そっか………協力したいけど、3Fに友達いないしなぁ」
「どうしようかな………」
結局、何の対策も決まらなかった。
「ただいまーごめん、遅くなって………」
マナミと話し込んで、遅くなってしまった。
てゆうか………マナミの恋話とか聞いてただけだけど
でも、色々と勉強になった気がする。
前は、友達の恋愛話とかあんまりよくわからなかったけど……なんか楽しかった。
家に帰ると、玄関には、みやちゃんが立っていた。
「おかえり」
「みやちゃん………ご飯は食べる?」
「いいわ。今から、出かけるから」
そう言ってみやちゃんは家を出て行こうとした。
「気をつけてね」
そう言って見送ろうとしたら、みやちゃんはふり返って私の顔をじっと見つめた。
「冬美」
「ん?」
「彼氏でもできたの?」
「え?いないよ!なんで?」
いつもはそんなこと聞いてこないのに………。