冬美の初恋
「どこのコンビ二?」

「駅前の………」

「あ、わかった♪コンビ二って、バイトしたことないけど、楽しいですか?」

「いや、別に楽しくは………」

多少テンションの落差はあれど、こうして他愛もない会話して、並んで外歩いてると………なんかカップルみたい♪

「甘いもの、好きですか」

これは、ずっと私が気になってた事だ。

「んー……まあまあ」

「そうなんだ。前に来たとき、甘いものばっかり買ってったから………甘党なのかと思いました。」

「そうだっけ?」


「はい。えっと………チョコロールパンと、あんぱんと……」

でも、よく考えたら全部自分では食べないよな……。


「よく覚えてんね」

「はい、ずっと気になってたから」

「……………」

あっ…………。

何か、普通に言っちゃった。

…………心なしか、雨君も少し気まずそうに顔を伏せた。


「あ、えと……猫飼ってるんですか?」

「うん、猫………飼ってる」

「なんて名前ですか?」

よかった…なんとか、違う話題にもっていけた。

「フー」

「フー?」

「風って書いて、フー」
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