冬美の初恋
「ああ…。自分が"雨"だから?」

「………まあ、そんなとこ」

「ふふっ」

何か………楽しい。

一つ一つが新鮮で、雨くんのこと、知れば知るほど奥深くて。

今まで、誰かにそんなに興味もったことなかったのに。

「そっちは、何かペット飼ってる?」

「いや………飼いたいけど、叔母さんが動物嫌いなんで」

やったっ。

雨くんが聞き返してくれた。

「叔母さんと暮らしてんの?」

「はい。あとあ………」

「え?」

「あ、あそこです!私のバイト先」

あ………兄とって、言いそうになっちゃった。


「あーあそこね」

「あの時、すいませんでした」

「?何が?」

「パン……分けてくれて。すごく嬉しかったです」

雨くんは最初"?"とゆう顔をしていたが、だんだん記憶が戻ったように、うなづいた。


「…………ああ、あれね」


「……休みの日とか、何してます?」

「んー風を散歩したり、夕飯の買い物行ったり」

「夕飯て、実家暮らしですよね?」

自炊してるのかな。

でも、何で?

「そうだけど………親が忙しいから代わりに」
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