冬美の初恋
「じゃあ、自分でご飯作ったりしてるんですか?」

「うん、たまに」

「へー……友達とかとは、遊んだりしないんですか?」

友達……少ないのかな。

集会のときも、誰とも話してなかったし。

「あんまり………誘われたら行くぐらい、自分からは誘わないし」

「どうして?」

「ん………まあ、面倒くさいし」

冷めてる、と思いつつも共感できる。

「そっか………遊ぶのが嫌いとかじゃないですよね?」

「うん」

……遊びに誘ってみたいけど………実のところ、私もそんなにアウトドアじゃないしな………。

雨くんが誘ってくれたら絶対行くけど。

………まぁ、それはないだろうし。

「家は、どの辺?」

「あ、私………この通りをまっすぐ行ったところです」

気がつくと、雨君の家の前の団地まで来ていた。

「そっか。じゃ、この辺で」

「はい、今日は、ありがとうございました」

「いいよ」

よし、このテンションで言っちゃえ。

「あの………よかったら、また、一緒に帰ってください」

「…いいよ」

雨君は少し笑って、団地へ帰っていった。




かっこいい…………。



でも、それ以上に…

……それ以上に………
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