冬美の初恋
翌日。

学校を曲がったすぐの古本屋で立ち読みしていると、後ろから声をかけられた。

「あ…………」

「昨日、ごめん」

雨くんだ。

「きのう……?」

いきなり謝られてよく意味がわからずに、私はきょとんとした。

「一緒できなくて」

「え、そんなの……全然大丈夫ですっ」
私は頭をブンブン振った。

「……こんなとこに本屋あるんだ」

「はい……下駄箱とかじゃ目立つかなって思って」

「確かに」

ここは、漫画とかイマドキの小説なんかは全然売ってない感じのとこで、古くてよくわからない本しか売ってない。

こんなところだったら、まずうちの高校の生徒は入ってこないだろう。

…我ながら、ナイスっ♪


「てか、敬語じゃなくていいよ。なんか堅苦しいし」

「あ……すいません……じゃなくて…ごめんね……?」

私のぎこちないタメ口に、雨くんは少し苦笑いした。

「2歳差だしな」




それから、2週間が経った。
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