冬美の初恋
雨くんの都合の悪い日以外は、古本屋で毎日待ちあわして、毎日のように一緒に帰った。



「冬美、おはよっ♪」

「マナミ、おはよ」

HR前。
マナミは嬉しそうに私の前の席に座った。

「見て!コレ、昨日彼氏がくれた♪」

マナミは嬉しそうに右手の薬指のリングを見せた。

「えーいいじゃん!可愛いっ♪」

「でしょー!前に、私が欲しいって言ってたの、覚えてたみたい!!」

……なんか、最近、マナミと話すのが楽しい。

前は、男の子の話ばっかで……なんか、たまについていけないってゆーか、そうゆうのがあったけど……

今は、私も雨くんの話するのが楽しいし、なんか嬉しい。

人に、自分の好きな人の話をすると気持ちが大きくなるってゆうけど、その通りだと思う。

一昨日よりも、昨日よりも……好きになっていくのがわかる。

以前の自分より、感情が豊かになってくのがわかる。

嬉しい。

楽しい。

きっと、雨くんがいなきゃこんな気持ちになれなかった。

それだけでも、ありがとうって言いたい。

「で?」
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