冬美の初恋
「今日、時間…ある?」

「これから?」

「うん。寄りたいとこあるんだけど」

とりあえず、下校の寄り道から挑戦してみる事にした。

「いいよ」

意外とすんなり行けた。

「どこ行くの?」

「ペットショップ!」

…これなら、行けるだろう。

猫飼ってるし。

「…ペットショップ?」

「うん」

私はニコニコして頷いた。

「………俺、犬アレルギー」

「!!」

い、犬アレルギー………。

完全に計算外だった。

「ごめん」

「い、いや……こっちこそ」

どうしよう……、ダメな場合を想定していなかった。

なんかとっさに出たのが次の言葉だった。

「雨君は、映画すき?」

「……ん。まあまあ」

「いま、"夢のあと"ってやってるじゃん………?」

「名前は聞いたことあるけど」

勇気を振り絞れ、冬美。

「み、観ない?こ、今度の休みでも………!」

「………いいよ」

やった!!

「……じゃあ劇場とか調べておくね」
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