冬美の初恋
「…………そう、そんな事が………」

家にも帰りたくない私は、みやちゃんの働いている店の裏にあがりこんだ。

丁度、今は準備中で客はいなかった。

「やだ………最悪だよ、私……」

「でも、彼、二人で遊ぶのOKしてくれたんでしょ?脈ありだと思うけど」

「でも、あんなタイミングで告白なんて………」

でも、他にどうすればよかったか……なんて、いまだにわからない。

「ま、確かにね……嘘ついてったてゆうのはマイナスポイントだね」

「…………………………」

「そろそろ開店時間だから、帰りなさい」

「え……でも……お兄ちゃんに……」

合わす顔ないよ…

「ここで逃げても、一緒に暮らしてるんだからいつかはぶつかる壁でしょ。早いうちに壊しとかないと、どんどん厚くなってビクともしなくなるよ」

「………………」

みやちゃんに追い出されて、私はできるだけ遠回りをして家の方に戻った。



「どうゆうこと………?」

ようやくたどり着くと………うちのアパートの前で、お兄ちゃんとノリちゃんが話をしている。
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