冬美の初恋
「俺こそ………ごめん」

「……んで、謝るの」

お兄ちゃんは、悪くないじゃない。



「気がつかなくて………」

「違うの、私が……」

久しぶりのお兄ちゃんの肩は、大分がっしりしていた。





翌日。

「げ、ひどい顔」

朝起きて鏡を見ると、目がぱんぱんに腫れていた。

ちゃんと冷やして寝ればよかった………。

学校………行くのつらい……休みたい………。

お兄ちゃんは昨日の深夜に出かけたみたいで、朝になっても帰ってきていなかった。

私は万理とマナミにメールを打って、ふたたび布団にもぐりこんだ。



翌日。

私は2限めから遅刻していき、マナミと万理に事情を話した。

二人とも、神妙な顔つきで、何て慰めていいか、わからないといった感じだった。

それから、私は学校を休みがちになった。

登校しても、ほとんど保健室ばっかり。

ノリちゃんの顔みるのが辛い。

マナミと万理の困惑した顔みるのも嫌。

雨くんにも…………
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