冬美の初恋
きょうだい
お兄ちゃんとも最近会ってない。

夕飯時にも帰ってこない。

深夜たまに帰ってくる音がするけど、あんまり話したくないから寝てるフリする。

お兄ちゃんの部屋には制服がかかったままで、たぶんお兄ちゃんも学校行ってないのだろう。

でも、別にいい。

学校に行ってないのは、お互い様だし。

嘘ついてたのは悪かったけど…。



昼ごろになると、みやちゃんが疲れた顔で帰ってくる。

「ただいま」

「お帰り……」

「あんた、また学校休んだの?」

私の存在に気づいて、みやちゃんは少し顔をしかめた。

「うん………お昼、なに食べたい?」

「パスタ♪」

「了解」

私が台所にたつと、途端に笑顔になった。

みやちゃんの単純なとこ、好きだ。


私が学校行かなくなり、5日ほど経った夜………

ガンッ!

ドアを蹴られた音がして、私は布団から起き上がった。

「え………?」


困惑しながら、とりあえず玄関の明かりをつけると、ドアノブがガチャガチャ回される音がした。


やだ、今家は私しかいないのに…。

「冬美―………俺」
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