冬美の初恋
翌日。

朝起きると、お兄ちゃんはまたトイレで嘔吐していた。

顔色も悪かったので、強制的に病院に連れてってから学校に向かった。

学校に行く途中、かばんの中のケータイが震えた。

(万理たちかな………?)

受信BOXを開くと、雨くんからのメールだった。


「…………!?」



『最近、学校きてる?』


…………心配、してくれた?

しばらくの間おさまっていた胸のドキドキをこらえながら、メールを返した。

『いま、向かってます』


『帰りに話したいから、ちょっといい?』

『はい、いつもの古本屋にいます』


何だろ。

お兄ちゃんのことかな。

ノリちゃんのこととかも………聞かれるかも。


教室につくと、マナミと万里が心配して駆け寄ってきてくれた。

無断欠席が続いていたので、クラスの子の視線が痛かった。

「なんか、冬美やせた?大丈夫?」

「大丈夫(笑)」

本当はあんまり大丈夫じゃないけど、少し無理して笑った。

「メール読んだけど、どんな状況だったの?話、聞いていい?」

マナミに聞かれて、私は二人にデートの時の状況を詳しく話した。
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