冬美の初恋
「なんか……ごめん」

沈黙に耐えられず、謝ってしまった。

「いや……謝る事じゃ」

「やっぱ……やりすぎだよね、ごめんね」

雨くんの戸惑ってる顔を見てたら、胸がすごく痛くなってきた。

「なんか……雨くんに好かれたくて、どうすればいいかなって……なんか、逆に困らせちゃったみたいで」

「いや!……違うくて」

雨くんは少し声を張って、否定した。

「…………?」

こんな雨くん、初めて見た…。

「嫌とかじゃないけど…何で、そこまですんの?」

「そこまで?」

「俺に話合わせたりとか……無理しなくていいのに」

「……無理ってゆうか…」

無理してるのかな、私?

そんなつもりはなかったけど…。

「興味ない事は、興味ないままでいいと思うし…」

「違うよ。私は、無理なんかしてない。興味ないことでも、雨くんが好きってゆうなら知りたい。そうゆう気持ちなの」

「…………」

「前にも言ったけど、好きだから」

私は雨くんを見つめた。

「……本気で」

「……どこが、そんないいの?」
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