冬美の初恋
どこって……。

そんなの。

「わかんない」

これが本音。

「好きになっといてこんな事言うのも何だけど……顔が特別カッコいいとか、優しいとかじゃなくて……わかんない。不明」

「……………」

「でも、好きなの。いつも気になるし、もっと知りたいし、優しくしたい、喜ぶ顔見たい、笑ってほしい」

「……………」

なんか恥ずかしくて前髪をかきあげた。

「そんな事ばっかで……自分でも、こんなに人好きになるの初めてだから……どうしていいか……好きな理由はわかんないけど、この気持ちは確か…てゆうか」

なんかぐしゃぐしゃな告白になってしまった。

「………わかった」

雨くんは前髪をかきあげる私の手の上に、自分の手を重ねた。

「……………」

手を握って、前髪から離した。

もう片方の手でぐしゃぐしゃになった前髪を直してくれた。

「雨くん………?」

そのまま、私の頭をポンポンした。

「?」

「行くか、サッカー」

……あ、そっち?

「う……うん」

告白OKなのかと思ってドキドキしたのにー。
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