冬美の初恋
とりあえず、今の私のライバルは…桃崎選手!!

私はライバルの切り抜きを壁に貼った。

「負けないからねー!!」


次の日から、雨くんと私はサッカーの話をよくするようになった。

「スイーパーて何する人?」

「スイーパーはゴール近くで…」

雨くんも、観戦が近くなるにつれてテンションが上がってきてるのか、いろいろ教えてくれるようになった。

二人で歩いてると、目の前で小学生くらいの男の子が3人くらいでサッカーボールで遊んでいた。

「楽しそうだね」

「ん」

少し見入っていると、一人の蹴ったボールが逸れて、道路に飛び出しそうになった。

「…あ!!」

「…………」

すると、雨くんは走ってボールを追いかけ、歩道に蹴り返した。

「わ……!」

やだ……今の、超カッコいい!!

「ありがとーございます」

小学生にお礼を言われた雨くんはリフティングをして返した。

それを受けて子ども達はオォーっと喜んだ。

「せっかくだから、ちょっとやってったら?一緒に」

私は雨くんに笑いかけた。
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