デビル
「お待たせ」

肩を叩かれた。振り替える。爽やかに破顔する彼の顔。薄気味悪いネオンの光。

閉じた妄想の扉の隙間から声がする。


何人目?何日目?何回目?

「うるさい!!」

「どしたの、礼佳?」

「……ごめんなさい」

言い残して独り夜の闇へと歩き出す。頭の中で何かが弾けた。


イヒヒヒヒヒ アハハハハ ヤッチマッタナァ ヤッチマッタヨォ

ヒャハハハハ

微かに開いていた扉は不気味な音を立てて閉まった。隙間からあふれ出していた闇と共に遮断された笑い声。

燦々とした太陽は愚か、怪しげに輝くネオンの光りさえその中を照らせはしない。
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