追憶の旋律
里玖side*
さて…と。
問題はどうやって千沙を誘うかだよな…
でも、ここはひとつ男として勇気を出さなきゃいけない・・・よな。
よし。決めた。
「将大!!
ちょっと…いーか?」
「お、やっと誘う気になったか…?」
「あ、ぁぁ…まーな。
それで、折り入ってお前に頼みがあるんだ
実は…」
「…え?まじかよ。いいのか?それで」
「まずはこんくらいからじゃないと…ダメかなって…」
「仕方ねぇ、今回だけだからな?」
~その日の夜~
「えーと、了解…と。
ふう、なんとか約束できた…」
「なーにやってんの?にーに。」
「あぁ、千沙にメールでデートの約束を…ってうわぁッ!!」
将大に頼んで、考えてもらった文章をそのままメールに打って千沙を誘う。
それが俺の作戦だった。
もともと文章考えるのも苦手で、直接だと、どうもうまく話せなくなりそうな気がしてならない。
それで将大に考えてもらったってわけなんだが…
「妃和《ヒヨリ》!!いきなり入ってくんなっていつも言ってるだろ!」
「へぇ…なになに?”来週の土曜って空いてるか?近くの神社でやる夏祭り、一緒に行かないか?
たまには、2人で行きたいなって思ってるんだがどうかな?
返信待ってるから。”?
よくにーにがこんなメール考えついたもんだね…」
「悪かったな文章力なくてよ。
そんな俺だからこの文章は将大に考えてもらったんだよ。」
「し、将大さん…にっ?!///」
妃和は俺の5歳下の妹で、幼馴染の将大に憧れているらしい。
なんでも、『にーにを見てると将大さんがより一層神々しく輝いて見える』らしいのだ。
『にーに』だなんてまぁかわいらしい呼び方をするこいつのことを
…これでも小さいころから可愛がってやったつもりの俺だが…。
最近、口が達者になったものだ。うん。
「いっちょ前に赤くなってんじゃねーよ、チビ助のくせに」
「っな!!!///赤くなんかなってないわよバカにーに!!
一つ忠告してあげようと思ったけど…もう、知らないから!!」
…忠告!?
妹が兄貴の俺に向かって…忠告…だと?!
…む、でもそれが千沙のことだとしたら…気にならないことが…ある・・・はずもない…わけで…その…んー………。
「申し訳ありませんでした妃和さま。忠告をお聞かせ願います」
「うん。素直なのはいいことだぞにーによ。それでは聞かせてやろう」
う…調子乗ったなこいつ。
まぁこれも、全部千沙のためさ。仕方ない。許してやろうじゃないか。
「…忠告って言うか…にーにの考えの間違いを指摘するってとこかな。
いい?千沙さんは、にーにの誘いを楽しみにしてる。
それなのににーにはそれをメールで済ましたんだよ?
しかも将大さんの言葉でだなんて…論外!!!
いくら言葉にするのが苦手でも、一生懸命伝えた方が千沙さんは喜んだと思うなぁ、レディーの私の意見ではね。」
…痛いところついてきたなこいつ…。
なにが『レディー』だって言いたいところだが…
なにせそのまえの意見が正しすぎて胸が痛い…。
「聞いてほしいのはここから。
ようは、誘いの段階でにーにはハンデをもらったと考えろって事よ。
この続きは、いくら鈍感なにーにでもわかるわよね?」
「…な、ぁ、当たり前だ…!!
…って言いたいところだが全くわからん」
「…だと思った。」
「じゃあもったいぶらずにさっさと言えよ!!!!!」
「はぁ…これだからに―には…。
いい?ハンデをもらったって事はそれをどこかで挽回しなきゃならないって事!
それを挽回できる機会は?」
腕を組み、足でトントンと音を立てながらこっちを睨みつける妃和。
我ながら大した妹を持ったと…常々感じさせられるな。
それで…挽回…挽回…
と言ったらやっぱり…!!!
「…この後のメールの続き…?」
「バカ!!正真正銘の大バカー!!!
挽回できるのは、当日のにーにのリードに決まってるでしょーが!!」
「俺の…リード?」
「そう!どれだけ千沙さんのことをリードできるか…それいったくしかないでしょ!」
「リードか…」
デート経験が全くない俺にどうしろと…。
リードって言ったって、付き合うのすら千沙が初めてだしなぁ…。
「本の受け売りでよければ、この妃和様がレクチャーしてあげないこともないけど。」
「おねがいします。」
というわけで…やっと決まったデートの行き先は、近くにある飛野潟《ヒノガタ》神社で毎年行われる夏祭り。
そのデートに関しての指導役(?)が、妹の妃和と決まったのだった。
さて…と。
問題はどうやって千沙を誘うかだよな…
でも、ここはひとつ男として勇気を出さなきゃいけない・・・よな。
よし。決めた。
「将大!!
ちょっと…いーか?」
「お、やっと誘う気になったか…?」
「あ、ぁぁ…まーな。
それで、折り入ってお前に頼みがあるんだ
実は…」
「…え?まじかよ。いいのか?それで」
「まずはこんくらいからじゃないと…ダメかなって…」
「仕方ねぇ、今回だけだからな?」
~その日の夜~
「えーと、了解…と。
ふう、なんとか約束できた…」
「なーにやってんの?にーに。」
「あぁ、千沙にメールでデートの約束を…ってうわぁッ!!」
将大に頼んで、考えてもらった文章をそのままメールに打って千沙を誘う。
それが俺の作戦だった。
もともと文章考えるのも苦手で、直接だと、どうもうまく話せなくなりそうな気がしてならない。
それで将大に考えてもらったってわけなんだが…
「妃和《ヒヨリ》!!いきなり入ってくんなっていつも言ってるだろ!」
「へぇ…なになに?”来週の土曜って空いてるか?近くの神社でやる夏祭り、一緒に行かないか?
たまには、2人で行きたいなって思ってるんだがどうかな?
返信待ってるから。”?
よくにーにがこんなメール考えついたもんだね…」
「悪かったな文章力なくてよ。
そんな俺だからこの文章は将大に考えてもらったんだよ。」
「し、将大さん…にっ?!///」
妃和は俺の5歳下の妹で、幼馴染の将大に憧れているらしい。
なんでも、『にーにを見てると将大さんがより一層神々しく輝いて見える』らしいのだ。
『にーに』だなんてまぁかわいらしい呼び方をするこいつのことを
…これでも小さいころから可愛がってやったつもりの俺だが…。
最近、口が達者になったものだ。うん。
「いっちょ前に赤くなってんじゃねーよ、チビ助のくせに」
「っな!!!///赤くなんかなってないわよバカにーに!!
一つ忠告してあげようと思ったけど…もう、知らないから!!」
…忠告!?
妹が兄貴の俺に向かって…忠告…だと?!
…む、でもそれが千沙のことだとしたら…気にならないことが…ある・・・はずもない…わけで…その…んー………。
「申し訳ありませんでした妃和さま。忠告をお聞かせ願います」
「うん。素直なのはいいことだぞにーによ。それでは聞かせてやろう」
う…調子乗ったなこいつ。
まぁこれも、全部千沙のためさ。仕方ない。許してやろうじゃないか。
「…忠告って言うか…にーにの考えの間違いを指摘するってとこかな。
いい?千沙さんは、にーにの誘いを楽しみにしてる。
それなのににーにはそれをメールで済ましたんだよ?
しかも将大さんの言葉でだなんて…論外!!!
いくら言葉にするのが苦手でも、一生懸命伝えた方が千沙さんは喜んだと思うなぁ、レディーの私の意見ではね。」
…痛いところついてきたなこいつ…。
なにが『レディー』だって言いたいところだが…
なにせそのまえの意見が正しすぎて胸が痛い…。
「聞いてほしいのはここから。
ようは、誘いの段階でにーにはハンデをもらったと考えろって事よ。
この続きは、いくら鈍感なにーにでもわかるわよね?」
「…な、ぁ、当たり前だ…!!
…って言いたいところだが全くわからん」
「…だと思った。」
「じゃあもったいぶらずにさっさと言えよ!!!!!」
「はぁ…これだからに―には…。
いい?ハンデをもらったって事はそれをどこかで挽回しなきゃならないって事!
それを挽回できる機会は?」
腕を組み、足でトントンと音を立てながらこっちを睨みつける妃和。
我ながら大した妹を持ったと…常々感じさせられるな。
それで…挽回…挽回…
と言ったらやっぱり…!!!
「…この後のメールの続き…?」
「バカ!!正真正銘の大バカー!!!
挽回できるのは、当日のにーにのリードに決まってるでしょーが!!」
「俺の…リード?」
「そう!どれだけ千沙さんのことをリードできるか…それいったくしかないでしょ!」
「リードか…」
デート経験が全くない俺にどうしろと…。
リードって言ったって、付き合うのすら千沙が初めてだしなぁ…。
「本の受け売りでよければ、この妃和様がレクチャーしてあげないこともないけど。」
「おねがいします。」
というわけで…やっと決まったデートの行き先は、近くにある飛野潟《ヒノガタ》神社で毎年行われる夏祭り。
そのデートに関しての指導役(?)が、妹の妃和と決まったのだった。