追憶の旋律
結局、何が何だか分からないまま俺と千沙は職員室へと向かった。


「し、失礼します…みのりん…ゔんっ。
保坂先生、いますか?」


「おー来たか。まぁ、とりあえず入れ入れ。」


様子を伺いながら、恐る恐るみのりんの机のところへ向かう。
なんだかニヤニヤ笑ってるけど…本当になんなんだ??


「いやー、よく来てくれたな。
まぁ、呼び出したのもいろいろわけがあってな。
単刀直入に言うとだな、お前ら2人に、『文化祭実行委員』を任せたい。
よろしくな。」


『文化祭実行委員』…?
なーんだそんなことか。
ほー、『文化祭実行委員』ね……。


「って、なんで俺たちが?!」


「お、今日は調子がいいな夕暮。

いやー、大した意味はない。
お前らがいいと思った。それだけだ。」


随分なドヤ顔で胸を張って言う、みのりんの姿を見ると……

あぁ、こんな大人にだけはなりたくないなと染み染み実感する。


「なんだよー、その反応は。

恋人同士でこんなことできるなんて滅多にないぞ?そのチャンスを、このみのりん先生はお前らに与えてるんだぞ?」


まったくこの人は…。
いや確かに、千沙となら楽しいかもしれないけど…って、なんでおれと千沙の関係を知ってるんだ!!


「今、なんでこの人そんなこと知ってるんだ?って思ったな?夕暮。

そんなこと、私にはお見通しさ。
なんせ耳がいいからな♪」
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