secret days
「あの、ちょっとここでは…」
「ついて来い」
「…はい」
言われるまま、ついて来たけど。
「……ここって」
前を歩く桐生 響は、堂々と歩いている。
その後ろを歩く、普通科の制服を着たわたしはとても目立っている。
「アイドル科棟へようこそ」
振り返るその顔は、意地悪そうに笑んでいる。
これがアイドル科棟。
普通科の生徒にとって未知の領域。
「あれ、響。
その子って、もしかして」
うわっ
急に出て来てびっくりした。
しかも、この人アイドル科で有名な人だ。
「そ、俺のマネージャー」
「へぇ、響が女の子をマネージャーに選ぶなんて珍しいね」
「まぁな」
ん?あれ?
「ちょ、ちょっと待ってください!
わたしまだ返事してないー…」
「は?断るのか?」
う゛…ほんとこの人性格悪い…
「…や、やります」
「聞こえない」
「…っ!!!」
鬼だ。
「もうマネージャーでも何でもやってやりますよ!!!」