secret days



「な、おもしろいだろ?」



桐生 響は満足そうに笑いながら、隣の男の人に言った。



「響、あんまりいじめちゃだめだよ。
俺はこいつと同じアイドル科2年の一ノ瀬 翔太。
響が意地悪してごめんね」

「ふ、普通科1年橘 柚留です!」

「よろしくね、柚留ちゃん」



何なんだ、この正反対な感じは。

こんな対称な二人でも仲良いの?

むしろこの一ノ瀬さんのマネージャーになりたいくらい。



「おい、柚留。
お前明日からアイドル科だからな」

「さっそく呼び捨てですか…」

「俺のことは響でいいから」

「…別に聞いてませんけど」

「あ?」

「何か?」

「ぷっ…
二人で夫婦漫才でも目指したら?」

「「誰がこんな奴と!」」

「息ぴったりじゃん」



わたしと響のやり取りを見ていた一ノ瀬さんは、それからしばらく笑っていた。


こんなの全然おもしろくないのに。



「制服は来月からアイドル科の渡されるから、それまで普通科の着てろよ」

「制服…っていうか、勉強とかは?
そもそもマネージャーって何か分からないし」

「お前さっき何でもやるって言っただろ?
そのまんまだよ」



笑ってるし、絶対嘘だ…!

この人信じられないもん。



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