secret days
「一ノ瀬さん…」
「え?俺?
教えても良いけど、マネージャーについてなら実際にマネージャーに聞いた方が分かりやすいと思うよ」
「そっか、マネージャー…」
納得してみたけど、実際にマネージャーやってる人なんて知らないんですけど。
「俺のマネージャー紹介するよ。
先月からしてるし、同じ1年生だから…ってちょうどいいところに。
ユキ、こっち」
「先輩、そこにいらしたんですか~」
後ろから聞こえた声に振り向くと、普通科の制服を着たかわいい女の子が立っていた。
この子が一ノ瀬さんのマネージャー…?
普通にアイドル科にいてもおかしくないレベルだよ。
「も~、先輩すぐいなくなるんですからぁ。
あ、桐生先輩もご一緒だったんですね」
「ユキ、この子。
響のマネージャーになった、同じ1年生の柚留ちゃん」
「よ、よろしくお願いします!」
ユキちゃんが近くに来ると、花の香りがした。
スカートから伸びる長い足、ふわふわとパーマのかかったロングヘア。
模範的な女の子って感じだ。
「え~、桐生先輩のマネージャー女の子なんですかぁ!
何でユキを選んでくれなかったんですか?」
「お前は対象外だろ」
「対象外だなんて、ひどーい!」
この男は…
わたしみたいな平凡な女子に限らず、こんなかわいい女の子にまで暴言吐くとは…
許さない。
「ひ、響!
あんたどこまで性格悪いんですか?」
「………ひ、“響”ですって?
ユキでも下の名前で呼べないのに、マネージャーだからって調子に乗らないでくれます?」
え…
ええええぇぇぇ?!
かばったつもりなのに、なんでそうなるわけ?!