secret days



「橘って、寮?」

「はい、そうですけど」



そして、得体のしれないこの男の子。

馴れ馴れしいな…



「じゃあ、明日引っ越し。
明日の午後、アイドル科の寮に移れるようにしろよ。
俺も手伝ってやるから」

「ちょっと待ってよ、あそこ女子寮だから!
男子は立ち入り禁…」



そこまで言いかけて、ふと気付いた。

なんでこの人、わたしがアイドル科に編入すること知っているんだろう。

なんで、普通科の制服で一ノ瀬先輩と親しいのか。

うーん。



「あ、分かった!
じゃあ、ユキちゃんに手伝ってもらえば…」

「だから俺はそう言って」

「わたしが言っているのは、ユキちゃん。
あなたみたいな男の子じゃない」

「おい、柚留。
そいつがユキだ」



響まで…

一体二人して何言って…



「い、一ノ瀬さんは冗談言いませんよね?」



一ノ瀬さんの、困惑したような表情。

その隣に立つ男の子と響は、呆れた顔。


…認めたくない。


< 18 / 27 >

この作品をシェア

pagetop