secret days
「橘って、寮?」
「はい、そうですけど」
そして、得体のしれないこの男の子。
馴れ馴れしいな…
「じゃあ、明日引っ越し。
明日の午後、アイドル科の寮に移れるようにしろよ。
俺も手伝ってやるから」
「ちょっと待ってよ、あそこ女子寮だから!
男子は立ち入り禁…」
そこまで言いかけて、ふと気付いた。
なんでこの人、わたしがアイドル科に編入すること知っているんだろう。
なんで、普通科の制服で一ノ瀬先輩と親しいのか。
うーん。
「あ、分かった!
じゃあ、ユキちゃんに手伝ってもらえば…」
「だから俺はそう言って」
「わたしが言っているのは、ユキちゃん。
あなたみたいな男の子じゃない」
「おい、柚留。
そいつがユキだ」
響まで…
一体二人して何言って…
「い、一ノ瀬さんは冗談言いませんよね?」
一ノ瀬さんの、困惑したような表情。
その隣に立つ男の子と響は、呆れた顔。
…認めたくない。