secret days



「おい、ユキ。
そのくらいにしろ」

「そうだよ、俺のマネージャーが俺の親友のマネージャーを悪く言うのは聞いてて気持ちよくない」

「桐生先輩、一ノ瀬先輩…」



明らかにへこむ様子の雄樹くん。

どれだけ先輩に弱いの、この人。



「コイツいじめていいのは俺だけだから」



そう言って、響はわたしの肩に手を置き、ぐいっと自分の方へ引き寄せた。



「ちょっと…!」

「…何でもやってやるんじゃなかった?」



低い声が耳元でささやかれて、全身がぞくっとした。



「ここでキスしてもいいけど?」

「は、はぁ?やだ!もう放してください!」



こいつにキスされるなんて、想像するだけで吐き気がする!

響の腕の中で暴れだすわたしを見て、一ノ瀬先輩がため息をついた。



「響、柚留ちゃんがかわいそうだよ。
いい加減、放しなよ」

「…ちっ」



舌打ちとともに、自由になるわたし。

また捕まらないようにすぐに響から離れた。



「一ノ瀬さん、ありがとうございますっ」

「柚留ちゃん、気を付けてね」

「はい!」



今回は一ノ瀬さんがいたからよかったけど、次は…

どうなるか分からないもんね。

気を付けよう。



< 20 / 27 >

この作品をシェア

pagetop