secret days
「桐生先輩、何であんなちんちくりんに構うんですか!」
ち、ちんちくりん…
雄樹くん、ほんとわたしのこと嫌いなのね…
「あんな奴なんかより、美人やかわいい人いっぱいいるじゃないですか!
なんで、なんで…」
「帰るぞ、柚留」
「え…」
「お前、普通科の昇降口しか知らないだろ?」
「う“…」
泣きそうな雄樹くんを残して、響は歩き出してしまった。
「こっち」
「はい…」
確かに、アイドル科の昇降口なんて知らないし。
響について行くしかないか…
「レッスン室…」
「……………」
「れ、レコーディングルーム?
スタジオまである…」
「…お前なぁ」
すごい、広い…!
いろんな部屋があって、どこからも声や音楽が溢れていて。
「響!」
「ん?」
「なんか、アイドル科ってすごいね!」
「?あ、あぁ、まぁな」
当たり前だけど、放課後になってもみんなちゃんと練習してる。
こんなに真面目に取り組んでいるのに、容姿だけとか思っちゃてて、なんだか罪悪感。
正直、生まれつきの才能とか、そういうものがあるんだと思ってた。
でもやっぱり、プロになるのは大変なんだ…